二宮金次郎が本を読みながら歩けたのは、当時の日本には電車も車も自転車もなかったからで、そもそも人の数も少なかったからです。今日日スマホでせっせとゲームをしたりSNSを流し読みしながら歩いてたら、そりゃあ事故るって。
今回の記事で僕が言いたいのは、そんなあっぱかぷーなことじゃあねーんです。「歩きスマホは全て悪だから歩きスマホ同士でぶつかって致命傷のひとつでも負うべき」、みたいなコメントは、ヒャッハートンチンカンはスルーだァーします。
アイデアの雨は、歩く人に降り注ぐ。
仕事中にブログや仕事作りや楽曲のアレンジのアイデアが浮かんで、勢い帰って机に向かったら全部忘れてた、なんて経験、みんなあるよね。真っ白なブログエディタ画面の前でかつて輝いたアイデアを思い出すべく頭を掻きむしっても、毛根がダメージを受けて終わるだけ、みたいな。
実はそれ、当然のことなんです。っていうかそもそもアイデアってぇーのは、出そうとしてない時に出てくるものだから。
だから、歩くんですよ。歩いて、歩いて、歩く。歩くことだけに集中するんです。そしたら頭の中の閃き回路がピーンと繋がって、必要なアイデアが出てくる。スタンフォードだかどっかの偉い人の研究で、実際人は歩いてる時の方がクリエイティブになるんだってことが証明されたらしいしね。
>>>参考記事はこちら
※原文は英語なんで、Gigazineさんの解説記事に飛びます。
アイデアの雨を浴びる手順
歩くことでアイデアの雨に出会えるよ、っていう話しなんだけど、本当に自分が必要なアイデアと出会うためには、ちょっとした段取りが必要なんです。
大したことじゃないんだけど、知ってると知ってないじゃ効果がまるで違うから、この機会に覚えといてね。
人の脳っていうのは本当に優秀で、「必要な材料」と「材料の特性」をインプットしておけば、ベストな答えをどーんと出してくれます。信じられない人も多いだろうけど、脳科学じゃもう常識になってる話しね、これ。
つまり今素敵なアイデアが出ない人は、「材料不足」か「材料の特性を理解してない」ってことなの。ラーメンの材料しかないのにカレーが欲しいって言ったって何も出てこないし、玉ねぎは炒めると美味くなるってことを知ってないと甘みも香ばしさも出せないの。
ステップ1「必要な材料を脳に入れる。」
例えば、「ブログのアクセスをアップしたい!」って考えたとするよね。そしたら、ブログへのアクセスをアップさせるためにはどうしたらいいか、っていう「知識」を集めるの。カレーを作りたいなら、人参とか玉ねぎとかルーを買うんですよ。
どんなカレーが食べたいのか、っていうことがハッキリ分かってりゃ楽なんだけど、それがハッキリしてないなら、まずはスタンダードなのを目指すのよ。僕だったら、チキンカレーとかね。
で、一旦それに必要な材料を揃える。つまり、「知識」を集めるんです。もう沢山のアクセスを集めてるブログを研究したり、アクセスアップのためのノウハウ本を読んだりしてね。
ステップ2「材料の特性を知る」
で、ここからが肝心なんだけど、集めた知識は、まずそのまま使ってみる。完パクリするんですよ。
「Yahooの質問板に上がってる質問を記事の題材に使え」って書かれてたら、やってみるんです。それで、アクセスがどう変わるかを見てみる。
「記事中の見出しに検索されそうなワードを使う」って書かれてたら、やってみるんです。それでまた、変化を見てみる。
この工程は、素材の味を覚える工程に似てるの。炒めた玉ねぎの甘みと香ばしさを知って、人参の香りとジャガイモの食感を知るから、カレー全体のバランスを野菜で取る、っていうことができるようになるんだよね。素材ひとつひとつの持ち味を体感する工程、ってことです。
これは継続的にできるし、それだけで変化が見えたりもするし、自分の記事の書き方じゃああまり効果がないな、って勉強になることもある。とにかく、集めた材料の味を知ること。集めた知識の効果を体感することです。
飴色玉ねぎの研究は人生を豊かにする(真顔)
ステップ3「とにかく歩く」
頭の中に「知識」と「体感」を入れたら、とにかく歩きます。アイデアが出てくるのを待つんじゃなくて、ただただ歩くことに集中するの。そうしたらそのうちポツッとね、まるで雨粒が落ちてくるみたいに、アイデアの種が落ちてくる。それを掴むんです。
仕事中にメロディーや詞のアイデアが出てきて止まらなくなったこと、あるでしょ?その状態を意図的に作るってことです。作れるんですよ。
やってみたことのない人には信じられない、曖昧にも感じられる話しなんだけど、一度やってみて脳の特性を実感すると、自分のアイデアは無限だってことに確信できます。
で、今回の冒頭に戻るんだけど、僕はそのアイデアの種をスマホのメモアプリに書き込んで、思いつくままに広げます。実際、まさに今回のこの記事も、その辺を歩いてる時に降ってきたアイデアを元に書いてます。
机に座ってする作業は、整理整頓とか分析とか、そういう事務的な作業だけなの。クリエイティブな作業は、全部歩きながらやります。
歩く場所は、公園とか夜の街が多いですな。人通りが無いところを狙って歩かないと、本当に危ないから。別に歩くのは室内でもいいんだけど、僕は空や草木を見るのが好きだから、それは好みで。
実家(和歌山の山奥)に居る時は、こういうところを歩く。
なにはともあれ、歩いてみんさい。
スマホを電波オフモードにして、ただぼーっと歩くだけ。自分の体がどう動いてくかとか、風景の移り変わりを、頭の中を静かにして見流すの。
するとね、何かが降ってくるから。それが、今自分が持ってるものが集まったアイデアです。一見アンコントローラブルに感じられるかもしれないけど、実はどんなアイデアを出すか、ってこともコントロールできます。
それは、とにかく「今向き合ってる問題をクリアするんだ」という意識を持つこと。
四国に八十八箇所巡りっていうのがあるでしょ?ずーっと歩きながら、お寺が来る度にお願い事をするんだけど、そうすると脳の深ーいところにそのお願い事が「ストン」と落ちるのよ。
そしたら脳の思考パターンが、そのお願いごとを叶えるにはどうしたらいいのか、ってことに書きかわるの。そういう仕組みになってんのよ。
だからね、「どういうアイデアが欲しい」っていうことを徹底的に意識し続けてると、ふとテクテク歩いてみたときに、その必要なアイデアが降ってくる。何回も言って悪いんだけどw、脳はそういう仕組みになってるんだってば。
とにかく、ちゃんと「知識」と「体感」を持って歩いてみると、それだけでアイデアがポンポン出てきます。まずはそこから実感してみて。
そうやって自分の体の仕組みを理解して活用する。そこで出たアイデアをスマホ書き留めて、evernoteみたいなファイル共有アプリに記録したら、それを家に帰ってPCや大きな紙の上で整理整頓する。
ここで、冒頭の言葉に戻ります。クリエイトするフリーランスのミュージシャンなら、自分の感性を信じて、歩きスマホくらいしなさいよ。まぁスマホじゃなくて、アナログのメモ帳でもいいんだけどね。
おすすめ良書
【アタマがみるみるシャープになる! 脳の強化書】
著/加藤俊徳
人の脳がどんな構造になってるのかを分かりやすく、分野ごとの連動なんかも含めて説明してくれてて、良書でした。今でも書店なんかに行くと、店頭に平積みされてたりするよ。
スマホやタブレットで読みたい人のためのKindle版はこちら。やっぱり500円くらい違うんだね。頑張れ紙媒体。