【「誰を見に来ましたか?」って言うライブハウスの怠惰】という記事を読んで。

Facebookを眺めていたら流れてきた件の記事、もしかしたらもう読んでる人も多いかもですね。冒頭のうちはある程度フムフム言いながら読んでたんですが、途中から「アレ?」という感覚が大きくなってきて、僕は最終的には「いやいやいや」というところに落ち着きました。

>>>「誰を見に来ましたか?」って言うライブハウスの怠惰

で、気が付いたら【喉】さんという方が僕よりも先にこの記事に対するレスポンスを上げていて、それがとても的を射たものだったので、紹介します。喉さんはブログのデザインや他のSNSとの連動がめちゃめちゃ上手いんで、このブログの読者の方はその辺も合わせてチェックしてみてください。

>>>【冗語】”「誰を見に来ましたか?」って言うライブハウスの怠惰” という記事について。

で、この喉さんの記事から一部抜粋ですが、

こちら側の常識になりますが、受付で最初に 「誰を観に来ましたか?」と聞くのは失礼にあたるとは考えにくい。 問題はそこではない。おそらく受付スタッフの対応の仕方であったと考えられます。

これが結論。全くもって同感ですし、

ライブハウス、という場所貸し産業は、〜略〜、当日フラッと立ち寄る”新規のお客さん”を想定していないのは、件のブログ主さんと同じ意見です。

ですが、それが”問題”というわけではなく。現状のアマチュア・ライブハウス・シーンでは、そういった方が気軽に来れるだけの環境・宣伝媒体が整っていないところが多いというだけの話なんです。分煙設備はどうか?椅子の用意(足が悪い人への対応)はあるか?そもそも、スタッフの接客態度はどうか?書き出したらキリがないし、逆にレベルアップする余地も沢山あるでしょう。

に関しても全面的に同意します。希望があるってステキ。

喉さんのおかげで元記事に対する僕の腹の虫はもう黙っておりますので、僕はも三次記事らしく、もうちょっと細くて狭いところに入ってゆきます。

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ライブハウスの集客努力って何だ?

喉さんの記事でも

まとめると、「たった一つのケースを、全てのライブハウスの怠惰で済ませようと考えている」ように見えるからです。うん。これはダメなパターンの問題提起ね。特定の誰か(文化)を批判するのであれば、必ず代案を示さなければ、ただの愚痴でしかない。

とご指摘の通り、事の発端になった件の記事は、どうしても愚痴の域を出ないんです。ただ元記事にはFacebookのイイネ!が1000以上付いてたりして、これがミュージシャン達によるものなら、むしろ”こちら側”に根の深い問題を感じるのよ、僕は。

で、元の記事や喉さんの記事に対して一言添えるとしたら、一口に「ライブハウス」と言っても、その形態は様々でござんしょう、ということです。

渋谷のクアトロと、地方の雑居ビルの地下にあるライブハウスじゃあ、明らかに運営とか営業の方法が違ってくるよね。だから結局答えっていうのは個々別々なものになる。これは同じ「バンド」という形態で活動していても、マーケティングの方法がバンドによって違ってくるっていうのと同じです。

なので今回は、ぐーーーーっと的を絞って、地方の雑居ビルの地下にあるライブハウスはどうしたらいいんだろう?っていうことを考えます。だって、クアトロって、出演することにも価値が付くブランドでしょう。ブランドが確立できてるんだから、もういいじゃんね、と。

むしろ僕ら草の根ミュージシャンにとって、そういうブランドライブスペースはひとつの目標とか、節目とか、ある種のゴール的なものになるじゃない。こんなこと言うと誤解されちゃうかもしれないんだけど、草の根が何本潰れてもクアトロは潰れないんですよ。僕らが一蓮托生してるのは、もっと身近なライブスペースのはずなんだ。

ミュージシャンもライブハウスもやることは同じ。

元記事を書かれた方も喉さんも、ライブハウスは場所貸し商売、という前提でお話しをされてますよね。確かにそうで、これも喉さんの記事から抜粋すると、

場所貸し産業の商品とはなんでしょう?そうです。「場所」です。ライブハウスの場合、音響・照明、ドリンク(フード)そして音量を出しても苦情の来ない環境が商品です。

ということ。すごく分かりやすい。

ただやっぱり、これが満たされないこともあるじゃない。形態が「ハウス」じゃなくなってくるケースも含むんだけど、たとえば照明がほとんど無いとか、音響設備がチープだとか、ドリンクはあってもフードがないとか、最大ボリュームが決まってるとかさ。

でも、そういう一見ハンデを抱えていてもちゃんとお客さんを集めて経営できてるところっていうのは、往々にして人がお客を呼んでます。また会いたくなるマスターやスタッフさんが、そのお店にはいるんです。

人物や、その人物が作り出す空気、空間を含めての「場所」でござんす。

これ、ミュージシャンと同じだと思いません?

多くのお客さんは、ライブ会場に音楽を聴きに来ているのと同じかそれ以上に、ミュージシャンに会いに来てるんですよ。だからプロダクションは必死にミュージシャンの個をプッシュするし、このブログでも「あんたのストーリーを語りんさい」という記事を上げ続けてる訳ですよ。

接客をしないリスク。

で、お客さんと接するスタッフさんの仕事って、お客さんを満足させることだよね。僕の知ってるマスター達やスタッフさん達は、本当に一生懸命お客さんの話しを聞いてます。やわらかい物腰で、だけど自分の個性は消さないで、時には浅く時には深く、お客さんと徹底的に向き合ってます。

件の元記事では受け付けスタッフの対応について言及してます。お店側・・・いやさ、売り手側としてはね、こういうのはやっぱりマズいよね。

だってライブがメインコンテンツになってるお店って、そもそもお客さんはステージの方を向いてる訳でしょう?お客さんとの交錯って、本当に一瞬しかないの。だーかーらーこーそ、そこで手を抜くと、本当に場所を貸してるだけの自動販売機になっちゃう。

お客さんは、めったに場所を好きにならないの。どんなにそのライブハウスの構造や照明が気に入っても、ある日フラッと寄ろうなんてことは無いんです。お客さんは総じて、人に会いに来る。これが真理です。

受け付けの印象が悪いと、それだけでお客は来なくなるんです。接客って常に好かれるチャンスと嫌われるリスクがあるんだけど、

「俺、受け付けがやりたくてやってる訳じゃねーし」

みたいな顔して受け付けしてたら、あんたが嫌われるの。あんたが嫌われるってことは、あんたの店が嫌われるってことなの。音楽を売ってる店が嫌われるってことは、音楽の価値が下がるってことに繋がってるんだってば。

心にもなくていいから、一瞬の受け付けの時くらい、ニコッとしてさ、

「今日は寒いですね。ありがとうございます。奥の方、あったかくしてますからね。」

くらいのことを言えば、全然印象が違うのよ。それでお客さんがリピートしてくれるかっていうと、それは別だよ?だけど、そいういうこともできないでお客さんから愛されようっていうのは、無理だよ。

他人事じゃないのさ!

このブログはあくまでアーティスト側のためのものなんで、最後は”こちら側”の方に向かって言葉を放ちます。何度も何度でも言いますが、商売の原理っていうのは何をしてても同じです。ライブハウスのやり方に文句を付けてる暇があったら、もっと他にやることがあるのですよ。

そもそも出演ノルマ2万円の出費が痛いような経済状況であるんなら、「経費を下げる」か「収入を上げる」っていう対応をすべきであって、ノルマ2万円の看板を見上げて文句を言うのはお門違い。そんなことにエネルギー割いてる暇、ないよ、僕らには。

街の音楽イベントの募集情報チェックしてますか?
アクセスを稼げるようなコンテンツを発信してますか?
持ち帰りたくなるようなフライヤーを作ってますか?
会いたくなるような人を研究して実践してますか?

出演費が捻出できないなら、出演費の掛からないところを調べ上げていくんです。そこでちょっとでも売り上げを作って、今後に繋いで、お金が回るようになってから場所を借りればいいんです。そうやってお金を回す感覚を持ってないと、いつまでたってもいち消費者として業界にお金を垂れ流すことになります。

それにね、結構みんな忘れがちだけど、ライブハウスって簡単に始められないからね。資本金がいくらーとか、機材費とか工事費とか人件費とか家賃とか光熱費とか、料理やお酒を出すなら仕入れ代金とかね。お店は、もうとっくにリスクを背負ってくれてるんですよ。そのことも忘れてやれノルマがどうとここうとか、ちゃんちゃらおかしいですよ。

お店が潰れるかどうかは、そのお店の問題です。
自分が売れるかどうかは、自分の問題です。

僕もあなたも、まずは自分の問題に向き合いましょう。一生懸命ファンを生み出して、自分の好きなお店でライブをして、またファンを作って・・・をれを繰り返して、業界は大きくなっていくんだもの。

・お客さんのいる場所に行く。
・お客さんを楽しませる。
・お客さんと繋がる。
・お客さんを育ててファンにする。
・ファンを集めてライブをする。

これでいいの。これだけでいいんだから。どんな商売も、この繰り返なんだから。

お店をやってくれてる方も、ミュージシャンとして頑張ってる方も、まずはお互いしっかり一人前に立てるところに行きましょう。

・・・いやぁ、最後ずいぶん散っちゃった。申し訳ない。

とりあえず、今回はこの辺で。

元記事さん、喉さん、意義のある提起と応答、ありがとうございました。意識が高いからこそ、思いが筆を走らせたのだと思います。これからも自分が思う音楽の未来にひた走ってゆけるよう、刺激を与え合ってゆきましょう。

>>>元記事のライター【Bun】さんのブログ
>>>【喉】さんのブログ

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