自分が特別だと思ってるものは、お客さんは特別だと思ってない法則について。

僕はフィンガースタイルのギター弾きで、普段は右手の指の爪にネイルカンパニーのグラスネイルを装着しています。
スラム奏法なんて爪に厳しいプレイスタイルなので、そのまま弾いてるとそれはそれは見事なナマズメハーガス君が登場します。
誰か知ってるのか、こんなネタ。

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ただこのグラスネイルっつーのは、高価なんですよ、中々。
かなりの硬度になるからもうこれがないとダメなんだけど、この前楽器屋でkainaというメーカーのThe Guitaristという似たような製品を見つけたので、買って試してみています。

グラスネイルは5分もあればヤスリで削ってるけど、kainaは一度塗ると半日くらいはそのまま・・・そのうちどこかでレビューを書くんで、気になる人は待っててください。

悲哀の法則。自分が特別だと思ってるものは、お客さんは特別だと思ってないんだぜ・・・うう・・・。

楽器を弾いてると、傍目に見ると何が違うんだか分からないことが、当人にとってはとても大きな違いに感じられることがあります。
さっき言った僕のスラム奏法なんかもその典型で、アコギを弾いてる人たちには受けがいいんだけど、アコギのことを知らない人は

「あー、そういう弾き方もあるんだって思った」

くらいの薄い反応で僕の自尊心をスルーします。
のれんを腕で押したらスッ転んで前歯折るくらいのダメージを受けます。
ファンファーレが聴こえるぜ。

僕の当たり前。お客さんの特別。

例えば、あなたのライブに来てくれた方がどうしてあなたのライブに来てくれたのか、聞いてみたことはありますか?

「そんなの、俺がカッチョ良いギター弾いてるからだよ!」

とかね、僕も思ってました。
違いました。

なんかね、僕が話してる声って心地いいらしいんです。
この前昔メジャーにいたボーカリストの方から「噺家みたいな声だね」、なんて言われて舞い上がってましたが、僕自身は自分の声にスペシャリティなんか微塵も感じてなかったんで、それはもう寝耳に水を被ったところに青天の霹靂。
効果は抜群です。

もちろんしっかりアンケートを取ると、楽曲がいいよね、とか、身体が動いちゃう、とか、色々出てくるんです。
だけど開口一番に出てくるのは、やっぱり声や話し方。
僕にとっての当たり前が、お客さんにとっての特別になる。
これはよい発見でした。

お客さんにとってのスペシャルとは。

これはね、もう聞かなきゃ絶対分からないんです。
さっきの話しの中でも出ましたが、誰かにとって特別なことって、ほとんどの場合自分にとっての当たり前ですから。

17歳で企業して初年度で1億円を売り上げた和佐大輔って人がいるんですけど、この人も最初はヤフオクなんかでモノを買う側だったんですよ。

どうしてそれだけものが売れる人になったかっていうと、自分がダサいと思う人のやってることをやらないようにして、自分が思わず何かを買った人がやっていたことをマネするようにしただけなんだとか。
そうすることが、この人の中で当たり前のことなんですね。

でも、それってすごいじゃないですか。
普通できないですよね。
僕はこんな仕事をしてるから最近無意識に見るようになってきたけど、これが定着するまで自分ですごく意識して努力しました。

人と自分は、違うようにできてます。
そんなことみんな知ってるんですよね。
なのに、自分だけは例外だと思ってる。
人と違うように生まれてきてるのに、自分に無いものを求めてしまいます。

自分ができないことを見つけては、あれもできないこれもできないって呻いてる人、大勢います。

無駄ですよ。
出来ないことは出来ないんです。
自分がやらなくてもいいから出来ないんですよ。
そんなことは人に任せて、自分は自分のできることをやんなきゃいけないんです。
落ち込んでる暇とか、ないんです。

もちろん僕たちはお金を生み出さなきゃこの社会の中で生きていけないから、商売のことは覚えなきゃいけないですよ?
だけどそれって結局、自分がどんなことで人の役に立つか、っていうことがハッキリしてないと、分かんないじゃないですか。

悲しい人はね、人からどんなに「アレがすごい」「これがすごい」って言われても、自分には何も無いって言って落ち込みます。
何も無いということで、自分を守ろうとします。
すごくもったいないことです。
周りの人が自分のことを沢山教えてくれてるのに、話しくらい、聞いてもいいんじゃないかな。

外から見た、自分。

自分の中から見た自分と、自分の外から見た自分は、全く別の存在です。
この社会の中で誰かの役に立ちながら生きていくためには、『外から見た自分』に焦点を合わせる必要があります。

一度小さな三脚を広げて、スマホか何かで友達と話している一部始終を撮影してみてください。
自分の所作や表情や発言が、自分がその時そうしているつもりだったものと、まるで違って見えるはずです。

それが、この世界の中にいるあなたです。
僕は自分が思っているより背中が丸まっていて、鼻をよく触っていました。
眉毛とかヒゲとか放っとくと完全に40代のオッサンでした。

自分の知らない自分が、この世界の中を歩き回って、メシを食って屁をこいて音を奏でています。
そういう訳だから、自分が感じるスペシャルと、人が感じるスペシャルに差が出るのは、当たり前なんですなぁ。

ふたり目の自分を愛せよ。

自分の中から見た自分も、自分の外から見た自分も、どっちも大事です。
自分の中から見た自分は完全にイメージの世界の住人ですから、そこにあるイメージが源流となって、外の自分の根幹を形作ります。

逆に外側から見た自分というのは、ラジコンのようなものです。
仮に常に自分の外側からの映像があなたの脳に流れ込んでいたら、もうちょっと姿勢を正して言葉を選んで表情を作ると思いませんか?

僕たちは決して自分を映像として見ることはできないけれど、人の言葉を借りたり、カメラのような機械の力を借りて、それをすることが出来きます。
特に人間なんていうのは超高感度のセンサーみたいなものです。
あなたのことを見た人があなたのことを「怖い」と言ったなら、あなたの何かが怖いんですよ。

外側から見たあなたは、ふたり目のあなたです。
世界と接しているのはふたり目のあなたです。
ふつう人は、90%のふたり目のあなたと、10%のひとり目のあなたを見ています。

ひとり目の僕がどれだけギタープレイというイメージの世界を泳いでいても、ふたり目の僕がいい声で小気味良い話し方をしていたら、そっちの方が9倍の人に伝わる力が強いんです。

あなたのいいところ、あなたが今世武器として持って生まれてきたものは、全てあなたの周りの人が教えてくれています。
あなたはそれを信じるだけでいいんです。
今まで自分が喜ばせてきた人の言葉以外に、何を信じて次の人と出会えばいいってんですか。

最後に、あやしい話し。

「ひとり目の自分」「ふたり目の自分」なんて言い方をしましたが、すいません、あれ嘘です。

世の中と触れ合って、人と触れ合って、お客さんと触れ合っている外側から見た自分。
実はこっちが、ひとり目の自分です。

だって、考えたらすぐ分かります。
僕らはおぎゃあと言って生まれてきた時、自分という概念を持っていないでしょう?
この頃からしっかり自分を持っていたら、もっと色んなことが記憶に残ってるはずですよ。
僕たちは成長するほど、何かをひとり目の自分から切り離して、内側の自分・・・つまり、ふたり目の自分を作ります。

だから、この物理的な世界にまず最初に現れたのは他でもない、外側から見た自分・・・ひとり目の自分の方なんです。

内側から見た自分・・・ふたり目の自分は、後から生まれて、成長するほどに世界と自分を分けようとします。
ある人は自分を重要な人物だと信じようとすることで・・・
ある人は自分を人よりも低級な存在だと思うことで・・・

だから僕たちは常に何らかの方法で、自分の存在を感じていたい。
ただ、そのためには、ふたり目の自分・・・つまり、内側から見た自分だけの視点では、足りないんですね。

ひとり目の自分は世界と触れ合っていて、あなたの知らない表情をしたり、あなたが知らない特技を持っています。
ふたり目の自分の役割りは、ひとり目の自分を認めて、愛して、彼・彼女がいちばん輝くように操作してあげることです。

ひとり目の自分。
ふたり目の自分。

どっちも必要です。
どっちも居ていいんです。
もしあなたがふたり目の自分とふたつ目の世界に閉じこもり続けているのなら、すぐにひとり目の自分のことを思い出してあげてください。

操縦桿を握っているのは、ふたり目のあなたです。
ひとり目のあなたは、あなたがエンジンキーを回すことを、ずっと待ってるんですよ。

・・・ということで、自分は特別だと思ってたギターが、実際人から見るとそれほどでもなかったという笑い話しでした。

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