ステージの見せ方を考えてやまない
長老と若者の往復書簡 その14
往路 長老 いしはらとしひろ から 前途有望な若者 山本優作へ
初めての××。
なんと麗しい響きじゃ。
初めて、というのは、どんな種類の「初めて」だっ、緊張するし、そうやっていいかわかんないし、
あーもううぎゃ~~、の連続である。
映像の中で、今回は割とはっきり答えを出してしまったけれど、
そうじゃよ、初めてのライブなんつーもんは、自分の意志の在り方よりも、縁とタイミングじゃ。
でも、考えてみると初めてのライブに限らず、じんしぇ~~などというものは、ほとんど運と縁と出会いじゃな。
自分が最高、と思えるような歌を歌っていたとしても、その良さを見出してくれる人と出会うことがなければ、ずっとうもれたままだしのう。
そして出会いは日々の活動の積み重ねの中から生まれてくる。
初めてのライブ。
そこでやめてしまう人もおるじゃろ。
あるいは10回くらいやって辞めてしまう人もおるじゃろ。
ワシは途中仕事なんぞの都合で4年半ほど、ライブをやらなかった、というかできなかった時があった。
再開した時は「二度目の初めて」だったわけだが、そこからはやめずに続けておる。
数百回はライブをしておると思うが、目指す山はまだまだ遠い。
じゃがな。
「初めて」から始めて、運よく続けることができて、音楽山という素晴らしい山がとてつもなく高いことだけはわかった。
そしてその過程でずいぶんたくさんの人と知り合うことができて、そのうちの何人かの人とは深くつながることができた。
だから。
気楽に始めればよいのじゃ。
運と縁が導くところに従っての。
そしてもしも続けることができたなら、その先にはかなり素晴らしい色々が待っているのだよ。
まず「始めて」みる。
「初めて」を突破する。
音楽山の中に足を踏み入れたら、もう面白いことたくさんだから。
かも~~ん、えぶりばで。
夏の妖精 山本優作 から 長老 いしはらとしひろ へ
縁とタイミング、本当そうですよね。
一人でガンガン行けるひとは、ガンガンいけばよろしい。
一人だとどうにも勇気が出ない人は、だれかの流れに乗ればいい。
一人でいくにしても誰かに乗るにしても、勇気は要りますけどね。
是非振り絞って、我々のように取り返しのつかないことになって頂きたいものです。
話しがズレるというか、これも縁の話しなんですが、同じことでも人生のどのタイミングで起こるかで、全然違うんですよね。
僕は音楽ビジネスの組み上げのために3年ほど前から猛烈に勉強してきておりますが、当初はミュージシャン辞めるつもりでした。
でも、商人の先輩や偉人と出会って色んなことを学ぶ中で、音楽との関係も変わってきて。
結局1年くらいしてライブを本格的にやりだしたら、それまでと腕前が大きく変わった訳でもないのに、音楽が仕事になりました。
動画の中では休止期間は無かったといいましたが、もしかしたらその覚悟を決めてからのライブが、僕の「二度目の初めて」だったのかもしれません。
ともあれ、これからもっと腕前を上げなきゃいけないし、魅力も磨いていかなきゃいけない。
あと何回の初めてがあるのか分かりませんが、「初めての〜」は新しい自分との出会いだと思えば、それは恐ろしく楽しいイベントですねぇ。
それと同じように色んな初めてを超えてきた誰かと、これから出会っていけるのだと思うと、ああ楽しみですよこれは。