ライブの曲順って どうやって決めている?

ステージの見せ方を考えてやまない
長老と若者の往復書簡 その11

syokann

往路 長老 いしはらとしひろ から 前途有望な若者 山本優作へ

のう、ヤマモト。
物事、順序だの順番だの 大事よのう。
お前様もおなごを口説くのに順番間違えて、あいたたた、な目にあったりしとるじゃろう。
まぁ、若い者の特権じゃ。よかよか。

そうそう、口説くのにも順序が大事かと思うのじゃが(そこから離れられなくなってもうた)
何のための順番かと言ったら、効果を最大限にあげるため、じゃよの。
言っていることは正しくても、その手順を間違えたばかりにあいたたた、は、おそらく世界の至る所にあるのじゃ。
で、言っているほうはこう思う。
「ぼくちんの言ってること、間違ってないのに…。」

言っていること自体は間違っていなくても、そう思ってしまうこと自体が間違いじゃな。
そこには「自分の都合」しかないからじゃ。
この順番で話したら、相手には伝わりづらい。とか、
こういう順番で話せば相手も理解しやすいし、受け入れやすい、という配慮が欠けておるからじゃの。

相手に理解してもらいたい、これ、音楽だの表現だのをする人には欠かせない視点だわな。
もちろん「これは素晴らしい歌なのだから(作品だから、芸術だから…)とにかく聞いてくれ」というのもありじゃ。
それでも通用するものはあるしな。
んだが、しかし。
それが単なる作り手のエゴだけ、という場合も十分あり得る。
エゴだけ、というのが透けて見えると、お客さんにとってはイタイ、以外の何物でもないのだな。

はて。
曲順から遠く離れてしまったのかの?
ワシがぼけておるせいで、見失ってしまったのかの?

まぁ、ぼけておるのは認めよう。

最近すんごく思うのじゃが、人前で表現する人、というのは、エゴとの戦いだなぁ、と思うのじゃよ。
例えば、曲を作る過程においては、むしろエゴが勝っていていい。
自分が感じるままに想像できなかったら、創造できなかったら、何のための表現だ。
しかしそれを、人様に差し出す過程では、今度は「エゴ」とお客様の求めるもの、
お客様を喜ばせること、お客様のほしがるもの、との関数になっていくような気がするのじゃ。
どうじゃろう、ヤマモト。

ところでヤマモト。
ボケが進んだせいか、オナゴを口説く順番ってどうだったか忘れてしもうた。
今度、かみさんに見つからぬよう、こっそりとメールでもしておいてくれぬか。
なんなら矢文とかでもええのじゃが。

クールなイケメン 山本優作 から 長老 いしはらとしひろ へ

和歌山から東京と神奈川がガップリ四つになってる所に正確に矢文を打ち込む技術の開発をしているうちに、お姉さんを口説ける時間が致命的な打撃を受けるような気がします。

いや、実際お姉さんってどうやったら口説けるんですかね。
僕ガチで一度も経験ないんですよ。
いつも先方から言い寄られて、独り身で困ったことがないので(げすがお)。
奇跡的に思い出せたなら、ぜひ教えてください。

そんで、曲順ですね。
確かにいしはらさんが仰るように、自分を納得させるのかお客さんを納得させるのかで並べ方がまるで変わってきますよね。
じゃあ、どうすることがお客さんのためなのかっていうと、これもまた一言では語れない問題であったりする訳ですし。

まぁでも、話術や話しの展開なんかもそうなんですけど、最初っから自分が言いたいことをどーんと当てていくのは、基本的にはNGですよね。
道端でお姉さんにいきなり

「今夜どうです」

とか言ってたって、絶対上手くいかないでしょう。
これは経験なくても分かる。

じゃあどうするって、もうちょっとコミュニケーションしやすいポイントから入っていくんですよね。

「あ、それ○○のアクセですよね? この前雑誌で見かけてからいいなーって思ってたんですよ。 ○○、好きなの?」

とか。
いや、いきなりこんなこと言ったら超警戒されると思うけど。
要は、分かり合って歩み寄ってもらわないと、いきなり主題は伝わらないし理解してもらえないってことで。
だから最初に、こっちから相手に興味を持ってあげようよ、っていう。

で、とにもかくにもコミュニケーションの神髄はそこなんですよね。
結局アーティストとして一番嬉しいのって、自分のエゴの部分を理解して評価してもらえることじゃないですか。
だから、どんなに自己評価が高くても、エゴナンバーは一曲目に持ってきちゃダメですよね。
その前に相手が聴きたいポピュラーナンバーを置いて、惹き付けなきゃ。
これが僕の曲順決めるいちばん大きなポイントだったりします。

動画の中ではリズムをベースに曲順を決める、っていう話しをしてますけど、何のために曲順を決めるのかっていうことを考えられたら、もっとしっかりした軸が自分の中に出来るかもしれませんね。
では、いしはらさんの期待に添えなくて笑が止まらない僕がお送りしました。

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