ステージの見せ方の向上を考えてやまない長老が若者に企画を振っているようです。

ステージの見せ方の向上を考えてやまない長老と若者の往復書簡録 その1

syokann

往路 いしはらとしひろ から 山本優作へ

山本優作様

ついに始まったぞ、ステテコ。
え?ステテコって?今冬じゃん。アレって夏の間のおっさんの愛用品じゃあ。

ノンノン。「ステージ・テクニック・向上委員会」略してステテコじゃ。
まぁ、要は「ステテコ」という略称にしたいが為に、この名前にしたのだが。
「ステージテクニック」なんて言い回しも間違いなく和製英語だのう。

まぁ、よい。
なんでこんなことに、オマエ様を引きずり込もうかと思ったかというと。

ヤマモトよ、a.c.c.r.などという組織を若い身空で立ち上げ、ミュージシャン アーティストの自立を考える、などという、刺激的な、もっと言ってしまえば嫌われそうな企画を色々と考えているところが気にかかったのだよ。こういう男をもっと堕落させてしまえ、と言う悪賢いオトナの謀略じゃ。ふふふ。

アーティスト、と言ってしまうと、少し広くなるから、ここはとりあえず、音楽家。ミュージシャン。に限定してしまおうか?

ワシは最近、音楽家のライブステージを見て あーあ、と思うことがままあるのじゃ。
歌が好みじゃない。これは仕方がない。ワシも年じゃし、そもそもそういうもんは人それぞれ好みが違って当然じゃからの。
歌がへたくそ。これもよい。誰でもへたくそから始まるのじゃ。へたくそでも味わいのある歌い手、なんてのもおるしな。
問題はそれより手前にあるのじゃ。
音楽のライブを「ショーとして人に見せる意識」が ほとんどない、低すぎる ミュージシャンがちょっと多いんでねえの?」「そして見せる意識の低いライブが蔓延していることによって、ライブを見に来るお客さんの人口をも減らしてるんじゃないの?」
ワシは悲しいのじゃ。
お金を取って人様に何かを見せてる、と言う意識すらないヤツの「ライブショウ」を見るのが。

そこでじゃ。
前途有望な若者であるヤマモトを巻き込んで、ジジイの繰り言、と思われぬよう、こう、なんだな、ライブの見せ方、をもっと考えていこうと思うのじゃよ。

どうじゃ、ヤマモト。じいさんの繰り言に乗ってくれるかの?ふがふが。
ワシと一緒に「ライブステージの見せ方」、こうすればもっと佳くなる、人を引きつけられる、と言うのを考えてはみてくれんかの?

そもそも、オマエ様は今の若造のステージを見て満足しとるのか?
「見せ方のここを工夫すれば、ステージ全体がもっとよく見えるのに。」と思ったことはないか??

復路 若者 山本優作より 村の長老 いしはらとしひろ へ

いしはらとしひろ様

唐突に先輩からジジイ言葉の熱量溢れる問い掛けメールを受け取った中堅初頭ミュージシャンの気持ちを考えたことがお有りでしょうか。
いや、もしかしたらいしはらさん本人にとっても不測の事態(「朝起きたら白髪になっていた」「パソコンの文書作成システムに不具合が生じた」「いしはらさんの文書作成システムに不具合が生じた」など)が発生したのかもしれません。
であれば、いしはらさんに僕の感情を理解せよと訴えるのは、道路でうずくまる交通事故の被害者に
「お前のせいで道路が傷だらけだ」と叱り付けるようなものです。
ここは気持ちをグッと堪え、心静かにご冥福をお祈っておきます。

さて、ステテコの件について。
僕が代表を務めるproject a.c.c.r.(組織でない)においては、パフォーマンスや作品でお金を作る、ということがとてもとても大きなファクトになっています。
よってステージ上でのパフォーマンスが、お客様がコストとして支払う金銭、及びその会場に至る手間や拘束時間や期待を凌駕するショーである、というのは、最低限クリアすべきポイントです。
2014年の夏、水着のお姉ちゃんで溢れる湘南の海で 「俺、ステテコやってるんだ」
と言っても絶望的にモテない、という点を除き、全面的に同意します。

っていうか、え?a.c.c.r.って嫌われるようなことしてるの?え?

頂いたメールを読み進めるほどに不安が膨らんでゆきますが、僕が前途有望な若者であるというところを目抜かれた慧眼には、驚きを隠せません。
以前どこかで僕が書いた
「カブトムシは友人たりえるか」
という見出しの記事を一瞥するなり
「カブトムシは友達に決まってるじゃないか!」
と大変な剣幕で騒ぎだした いしはらさんと同一人物であるとは、とても信じられない気持ちです。
できたら同一人物でなければいいのに、と祈るような気持ちもあります。

閑話休題。
ということで、ステテコ、履きましょう、違う、乗りましょう。

・こうするとお客さんが楽しくなる
というロジカルな面と
・お客さんを楽しませるためにこうする
というマジカルな面を、後続達のために残してゆきましょう。

そして、
「最近の若いミュージシャンの…」
と今回のステテコの企画の声をお掛け頂いた際に、「僕は若いミュージシャンではないのか」
と軽い精神的な致命傷を負ったことを、最後に報告しておきます念のため。

ス・テ・テ・コ  次回へ続く~

※文章構成 いしはらとしひろ

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